少子高齢化が進む中、全国的に深刻化している「空き家問題」。浜松市も例外ではありません。特に近年では、親から不動産を相続したものの、管理や活用に困って放置されてしまうケースが増えています。
　このコラムでは、不動産の専門家として、相続と空き家問題の関係性、そして浜松市における具体的な取り組みや注意点をご紹介します。

①空き家問題とは？
　空き家とは、1年以上使用されていない住宅のことを指します。総務省の調査によると、全国の空き家率は年々増加しており、浜松市でも「空き家数は約47,000 戸」、「空き家率は13.0％」、「（居住世帯のない一戸建空き家）の空き家率は3.5％」と報告されています。この背景には、高齢の親が亡くなった後に相続された家が、住む人もおらず売ることもできず、結果として空き家になってしまうというパターンがあります。

②相続で受け継ぐ“空き家”のリスク
相続された空き家には、さまざまなリスクが存在します。
・老朽化による倒壊リスク
・不審火や不法侵入のリスク
・景観・衛生の悪化による近隣トラブル
・固定資産税の負担
・「特定空き家」指定によるペナルティ

浜松市では、適切な管理がされていない空き家を「特定空き家等」に指定し、最悪の場合は行政代執行や税の優遇措置の解除といった対応もあります。

③相続が発生したら考えるべき3つの選択肢
　相続後、空き家に対しては以下のいずれかの対応を早期に検討することが重要です。
・売却する
市場価値があるうちに売却することで、維持管理の負担を解消できます。
・賃貸に出す
改修・リフォームで貸し出すことで、収益物件として活用可能です。
・活用・リノベーションする
二世帯住宅へのリフォームやシェアハウス、民泊など、空き家の新たな活用方法も検討されています。

④相続前の準備が、空き家を防ぐカギ
　空き家問題は「相続が始まる前の対策」が極めて重要です。
　たとえば、
・不動産の名義確認・相続登記
・親子間での事前相談や共有名義の整理
・遺言書の作成
　といった準備が、将来的なトラブルを大きく減らします。
　また、2024年から相続登記が義務化され、3年以内に登記しないと過料の対象になります。これは空き家対策の一環でもあり、すでに不動産を相続した方も注意が必要です。

⑤浜松市の支援制度と地域密着の不動産相談

浜松市では、空き家対策として以下のような制度もあります。

・【浜松市 空き家バンク】活用を希望する人とマッチング
・【空き家解体補助金】解体費用の一部補助
・【空き家の譲渡所得3000万円特別控除】浜松市市民生活課にて「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受けたうえで、税務署にて確定申告が必要。

https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kurashi-tetsuzuki/safety/akiya.html

地域密着の不動産会社であるマストレでは、相続に関するご相談や空き家の利活用提案、売却・管理・解体のご相談までトータルでサポートいたします。

⑥相続した空き家の譲渡所得税3,000万円特別控除とは？
相続した空き家を売却する際、一定の条件を満たすことで、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。

主な適用要件：
・被相続人が一人で居住していた家屋であること：被相続人が亡くなる直前に一人で住んでいたことが条件です。ただし、被相続人が老人ホーム等に入居していた場合でも、一定の要件を満たせば適用されます。
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること：旧耐震基準で建てられた家屋が対象となります。
・区分所有建物（マンションなど）でないこと：一戸建ての住宅が対象です。
・相続開始から譲渡までの間、事業用・貸付用・居住用に供されていないこと：相続後に誰かが住んだり、賃貸に出したりしていないことが必要です。
・譲渡価格が1億円以下であること：売却額が1億円を超える場合は適用されません。
・譲渡期間の制限：相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。
・耐震基準の適合または解体：売却時に家屋が現行の耐震基準に適合しているか、売却後に買主が耐震改修または解体を行うことが条件です。

　この特例を利用することで、譲渡所得税の負担を大きく軽減できます。

　空き家の売却につきましては、不動産売却に詳しいマストレのスタッフが、ひとりひとりの課題に応じて丁寧に対応いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
【マストレ　不動産査定・売却サイト】
https://sell.masstrading.co.jp/</strong>

⑦まとめ：空き家を「負動産」にしないために
「相続したけれど、どうしていいかわからない」という声は少なくありません。しかし、放置することが一番のリスクです。早めに現状を把握し、専門家と一緒に選択肢を探ることで、不動産は「負の遺産」ではなく、「資産」として活かすことができます。
　マストレでは、浜松市における相続・空き家問題に詳しいスタッフが、ひとりひとりのお悩みに丁寧に対応します。ぜひお気軽にご相談ください。

【マストレ 不動産サイト】
◆浜松の不動産に関する「全て」にお応えします◆
https://home.masstrading.co.jp/